ひとりごと

ただの吐き出し場

姉とゲーム「SIREN」の話

PS2で発売されたホラーゲームSIREN。8月3日はSIRENの舞台である羽生蛇村が異界に取り込まれた日らしく、SIRENの話題を見かける。映画化などもしている人気のゲームだが、私はやったことがない。ホラーが非常に苦手だからだ。人生で一度もお化け屋敷に入ったことすらない。なので、ゲーム本編についての話ではないのだが、本編とは関係ないところでひとつ思い出がある。

 

私が小学生、姉が中学生くらいの時の話だったと思う。

私の姉はホラー映画が好きでリング、着信アリなどを好んで見ていた。SIRENの映画もレンタルして見ていた。

夏休み中、ある日姉が言ってきた。

SIRENってゲームなんだよね?欲しいんだけど」

私と父はゲームが好きなため家にはPS2があった。そのためソフトさえ買えば確かにゲームをすることはできる。ただ、姉は小学生の頃はゲームもそこそこやっていたが、中学以降は全然やっていないはずだった。そしてかなり熱しやすく冷めやすいタイプでもあった。漠然と不安を抱えていたが、姉は一度思い立ったら行動が早かった。

姉「よし、ゲーム買いに行くよ!」

その日は夕方から町内の夏祭りがあり、それまでは家でゴロゴロしていようと思ったのだが姉に一緒にゲームを買いに来いと言われ、渋々自転車に乗りふたりでゲーム屋を目指す。

当時SIREN2まで出ているくらいの時期だったと思うが、まずは最初に出た方をやろうということで羽生蛇村舞台の方を買うことにした。ゲームソフトの値段を見て姉が私に言った。

姉「あんた、お金持ってる?」

私「一応ちょっとは持ってきてるけど」

姉「足りないから貸してくれない?

私「え〜だって返さないでしょ……」

姉「家帰ったら返すに決まってんじゃん!」

こうなるとこちらが折れないと面倒になると察した私は、嫌々お金を渡し、店を後にした。

家に帰ってすぐ意気揚々と姉はPS2をつけてSIRENをやりはじめる。序盤で車の鍵を手に入れるところがあるのだが、画面が真っ暗でまともに見えない。

(余談だが当時のブラウン管テレビでは暗い描写はとても見づらく、私はキングダムハーツの序盤で夜のデスティニーアイランドでリクを探すところでまともに周りが見えず、詰みかけたことがある。)

何も見えないうちに警官のような敵に打たれてすぐ死亡。何度やってもそこが抜けられなかった。姉より私の方がゲームに慣れていたため、もしかしたら私がやったら進めたかもしれないが、人がプレイしているのを見るならまだしも、自分でプレイするのは怖くてやりたくなかった。

お金返して、というと姉は「あとでね!」というばかりだった。

 

数日間、姉は最初の警官をどうにかかいくぐろうとゲームをプレイしていたが、1週間もたたないうちにプレイしなくなってしまった。

そして私にはお金を返してくれなかった。

仕方がないので私は母に言うと、母は私に、欲しいもの買ってあげるからそれでチャラにしてと言ったので、私は欲しかった本を買ってもらった。

その後姉に「ママにお金返しなよ」と文句をつけると

うるさい!結果的にあんたは損してないんだからいいじゃん!」と逆ギレされ、私は納得いかなかったがそれ以上は言わないこととした。

買ったSIRENはそれ以上進むことはなく、売られてしまった。

 

この事件があったことから、姉にお金を決して貸してはいけないという教訓ができた。

 

こんなふうに書くと姉がただのクズみたいになっちゃうが、この事件があった時姉は反抗期でちょっと荒れていた時でもあったので、現在はめちゃくちゃ優しいことを記しておく。

ただ、今もお金にルーズなところは見え隠れしている。